アナログ機材シミュレーションを中心に、さまざまなエフェクトを擁したIK Multimedia T-RackS 5。
単体で買っていくとまあまあな値段するので、Total Studio Max 2というパックで買うのがおすすめ。
・T-RackS 5(エフェクト)
・Amplitube 4(アンプシミュレーター)
・MODO BASS(エレキベース音源)
・Syntronik(アナログモデリングシンセ)
・SampleTank 3(何でも入ってる音源)
・Miroslav Philharmonik 2(オーケストラ音源)
などが入って、セール時だと3万円ぐらいで買えます。
ロック・ポップスならこのセットがあれば困りません。
似たようなパックでNative Instruments Kompleteがあります。
温かい質感のIK Multimediaに対して、こちらは比較的ひんやりした質感で、エレクトロ・EDMに強い印象です。
公式サイトやYouTube等を検索して試聴して、好みな方を買えば間違いないと思います。
そんなT-RackS 5の中で、個人的におすすめなエフェクトを紹介します。
コンプレッサー
アナログ実機っぽいのばかり。興味あれば型番でGoogle検索してみてください。
T-Racksはどの機種もかかり方自体は実機に似てますが、かけるだけで温かみやプロっぽさが加わる感じではありません。サッパリ風味。
意図しない音質劣化が加わるのが嫌な人は合うと思います。
味付けは別の歪み or 倍音付加フラグインを使うとビンテージ感が演出できますし。
逆に細かいことは考えず、直感的にアナログっぽくしたい人はWaves, UADが好きかも。
VC-670
・実機で言うとFairchild 670
・60-70年代の雰囲気
・真空管タイプ(昔)
ビートルズのグシャっとしたドラム、アメリカンロックの温かみのあるドラム・ピアノ、スティーリー・ダンの感じなど、好きな人にはたまらない質感。
マスターやバス(ドラム、インストなどのグループ)にもおすすめ。
インプットを上げると歪むのでそこがおいしいです。
・・・が、そのインプットが左右一緒に動かせなくて面倒、マックスになりがち。
それでもWavesよりこっちが好きです。
T-RackSの中で特におすすめ。
Precision Comp / Limiter
・実機で言うとNeve 33609
・70年代以降の雰囲気
きびきびしたかかり方。
ボーカル・ベース・ギターをタイトにしたい時。
バスにも良いし、万能。
Bus Compressor
・実機で言うとSSLのバスコンプ
・70年代以降の雰囲気
・VCAタイプ
バス(ドラム、インストなどのグループ)にはとりあえず刺すやつです。
軽く1-3db潰すと、少しまとまる。
意外と6dbくらい、聴いてわかるほど潰すのも良い。
でもこれはWavesの方が好きです。
Dyna-Mu
・実機で言うとManley Variable Mu
・90年代以降の雰囲気
・真空管タイプ(現代)
マスターやバス用に、パンチときれいさ両方欲しい時。
Black 76
・実機で言うとUrei 1176
・70年代以降の雰囲気
・FETタイプ
ボーカル・キック・スネアにパンチが欲しい時。ものすごく定番。
Wavesより良いという意見をネット上でよく見ます。
良いか悪いかは使い方次第だと思いますが、Wavesよりはっきりした音に感じます。
White 2A
・実機で言うとTeletronix LA-2A
・60年代以降の雰囲気
・Optoタイプ(光学式)
やわらかいかかりの光学式コンプ代表機種。
ボーカル・ベースをぬるっとがっつり潰すと良い。
Opto Compressor
・実機は特になくT-Racksのオリジナル
・現代的な雰囲気
・Optoタイプ(光学式)
こちらもOptoタイプだけど現代的。
White 2Aと似てるがクセが少ないです。
ボーカル・ギター・ベースに。
使いやすくておすすめ。
EQ
こちらもほぼアナログ実機っぽいのばかりです。興味あれば型番でGoogle検索。
個人的にはどれもWavesの方が好きです。
でもコンプの欄でも書いたとおり、アナログっぽさ・歪み感は別でつけたい場合、使いやすいと思います。
EQual
実機は特になくT-RacksオリジナルのデジタルなEQ。
新しめのプラグインなのできれいな音で使いやすい。
DAW純正と比べてみて好みならこっちを常用してみては。
・もっと極端に音が良いのが欲しければDMG Audio EQuilibrium
・もっと便利なのが欲しければFabfilter Pro-Q 3
をデモ使用してみると、そっちの方が気に入るかもしれません。
が、このEQualでも十分プロレベルの作品を作れます。
EQ 81
・実機で言うとNeve 1081
・60年代後半以降の雰囲気
ブーストした時にロックっぽくパンチのある、わかりやすい上がり方。ちょっとぐしゃっとするのが味。
とりあえず最高、定番です。
ちなみにEQ 73もNeveで、実機だとそっちの方が定番なんですが、DAW上で使う分にはEQポイント数が多い方が良いかなって。
シンプルな方が良い人は81より73の方をどうぞ。
EQ PB
・実機で言うとAPI 550B
・60年代後半以降の雰囲気
Neveはイギリス、APIはアメリカ。
こちらはぐしゃっと崩れず、元気でハリがある感じ。
EQ 81とどっちが好きか考えながら使っていくと良いです。
ちなみにEQ PAもAPIで、PAの方はポイント数が少ないです。
EQ PG
・実機で言うとAPI 560
・60年代後半以降の雰囲気
・グラフィックイコライザー
キックとベースに使いやすいポイント設定。シンプルでパンチがある。
EQP-1A
・実機で言うとPultec EQP-1A
・50年代以降の雰囲気
・真空管EQ
Neveよりもっと古いEQですが、現代のスタジオでも大活躍しています。
ドラム・ボーカル・ピアノ・ギター・シンセなどなんでも良くなる素晴らしいイコライザー。
その素晴らしさがプラグインでも再現できるかというと全然ムリなんですが、一応同じ用途に使えるので便利は便利。
使い方がパッと見わかりづらいのでYouTube等で確認してから使いましょう。
https://youtu.be/-gWBnlpIYwI
British Channel
・実機で言うとSSL 4000 Series E
・80年代の雰囲気
EQじゃなくてチャンネルストリップなんだけどね。
NeveやAPIより繊細で、ちょっとシャリっとしたかかり方。
White Channel
・実機で言うとSSL 4000 Series G
・90年代の雰囲気
これもEQじゃなくてチャンネルストリップで、British Channelと似た感じ。
80年代っぽいか、90年代っぽいか、とかざっくりしたイメージで使い分けてOKなんじゃないでしょうか。
その他おすすめ
Saturator X
色々な歪みプラグインの中でも好きな質感です。
Tape Echo
すごいなじむエコー。
この感じはこれでしか出せないし、簡単なので最高。
あとは、Ozone持ってなかったらStealth Limiter(マキシマイザー), Master EQ 432(マスタリング向けEQ), Lurssen Mastering Console, Oneなども使うと良いと思います。
あくまで個人の意見なので、他にもお気に入りがあるかもしれません。ぜひ楽しみながら探してみてください。